5. 雪道の運転
新潟は、高速道路のインターチェンジもスキー場に近いところが多いため、
県外からスノーボード/スノボに来る人も多いと思います。
しかし、雪の降らない地域から来る人は、雪道の運転に慣れていないので、
動けなくなったり、事故を起こしたりすることが多いようです。
雪道に合わせた準備をし、十分注意して運転してください。
新潟の交通事情
新潟では、4WD(4輪駆動)やFF(前輪駆動)の車が運転しやすいと言われています。
4WDの車は、雪道での発進時と加速時にスリップしにくいため、運転が楽になります。
除雪されていない道でも、ガンガン前進していくことができます。
FR(後輪駆動)の車は、発進時や加速時にスリップするので、車を制御しにくく、
常に緊張しながら運転することになり、非常に疲れます。
また、停止時や減速時には、小型のFF車が一番制御しやすくなります。
4WDのような重量のある車は、スリップするため止まりにくいのです。
新潟県内の雪道を走っていると、黄色信号から赤信号に変わる時に、減速もせずに交差点を
走り抜けていく車を多く見かけると思います。
以前、東京から来た(年配の)人に「なぜあの車は止まらないんだ?」と聞かれたことがありました。
これには理由があります。
路面が凍っている時に、ブレーキを踏むとタイヤがロックし、スリップします。
交差点であれば、スリップして車を制御できないまま、交差点内に進入することになります。
スリップしている間はハンドル操作では方向を変えることができないため、どこへ進むかわかりません。
仮に、交差点手前で停止できたとしても、後続の車も同様に停止できるとは限りません。
自分の車が止まったと思ったら、追突されるということになります。
特に、トラックなどの大型車両は、なかなか止まれないので、そのような車が後ろにいる
場合は「後ろの車が急ブレーキをかけなくても止まれるかどうか?」ということも
考えながら、運転しなければなりません。
このようなことがあるため、「ブレーキを踏むよりも、そのまま進んだ方が安全」という
判断しているのです。
雪が多い地域ではよくあることなので「見切り発進」すると、脇から突っ込まれます。
互いに余裕を持って運転しましょう。
雪が降っている時や夜間は、除雪車に遭遇することがよくあります。
除雪車は、あまりスピードを出せないので、渋滞になることもあるのですが、
新潟の人はあまり除雪車を追い越しません。
これは、追い越すと危険だからです。
普通の追い越しであれば、対向車に気を付ければ良いのですが、
除雪車の場合は、巻き込まれないようにすることも必要になります。
作業中の除雪車は、雪をかき分けながら進んでいます。
このときに、はみ出した雪の塊なども避けながら追い越しをするには、
道幅にかなりの余裕が無いと追い越せません。
地元の人たちは、どの辺まで行くと追い越せる場所があるのかわかっているので、
無理に追い越さないのです。
また、除雪車を運転している人もわかっているので、道幅の広いところにさしかかると、
追い越していくように指示を出してきます。
新潟には、道の中央から水の出る道路があります。
これは「消雪パイプ」といって、水温の高い地下水を道路にまいて、
雪や氷をとかすためのものです。 水の出る穴に小石がはさまったりして、 1カ所だけ勢いよく水が飛び出していたりします。 窓を開けて運転していると、水が入ってくることもあります。 ちなみに、最近の消雪パイプは、気温が下がったり、雪が降ってきたりすると、 自動的に動き出す仕組みになっています。 |
雪道での運転
スノーボード/スノボをしたいのであれば、スタッドレスタイヤは絶対に必要です。
毎年、スキー場へ行く途中で動けなくなっている車を目にしますが、
見ると、ほとんどがスタッドレスタイヤではない車です。
高速道路や市街地では除雪されているので、天気が良ければオールシーズンタイヤでも
走ることができるかもしれませんが、スキー場近くの雪のある坂道は
登ることができません。
あと数百メートルでスキー場ということころまで来ているのに、
スノーボードもせずに引き返すことになります。
新潟の人は路面を見て、滑るかどうか判断しながら運転していますが、
雪の降らない地域から来た人は、見ただけではわからないこともあるようです。
特に、トンネルの出入り口付近は、凍っていることが多くあります。
地元ナンバーの車が低速で走っている時は、路面が滑りやすくなっていることが
多いので、同じように低速で運転しましょう。
路面が凍っている時などは、急にブレーキを踏むとスリップして、どこかにぶつかるまで
止まりません。
ブレーキは、一気に踏まずに、ゆっくりと徐々に踏み込むようにしましょう。
また、強く踏み続けるよりも、連続して複数回踏み込む「ポンピングブレーキ」を
使って、タイヤがロックしないようにしましょう。
最近の車は、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が付いているので、
勝手に「ポンピングブレーキ」になりますが、ABSが正常に作動しない場合も
あるので、自分の足でもできるようにしておきましょう。
雪の中で車がスタックして抜け出せないという場合があります。
車の駆動輪がスリップしているために、アクセルを踏んでもタイヤが空回りしている状態です。
MT(マニュアル)の車であれば抜け出すことは簡単なのですが、最近はAT(オートマ)の車が
多いので、なかなか抜け出せないようです。
数人で乗っているのであれば、運転手以外の人が外に出て押し出します。
足場が悪かったりして、押し出すことが難しい場合は、
牽引ロープなどがあれば、他の車に引っ張ってもらいましょう。
ただし、バンパーなどにロープを結ぶと、バンパーだけ持って行かれます(実際目にすると、かなり笑えます)。
「牽引フック」にロープをかけるようにしましょう。
車によっては、バンパーなどについているパネルを外さないと、牽引フックが使えない場合も
多いので、事前に確認しておきましょう。
他には、駆動輪の下に滑りにくいものを敷く方法もあります。
タイヤの下にスコップなどを突っ込んで、その上に乗り上げるようにして脱出します。
タオルや雑巾などがあればいいのですが、敷くものが無ければ、車内のフロアマットを外して
利用します。
ただし、タイヤが巻き込んでしまう可能性があるので、おすすめではありません。
車に積んでおくと便利なもの
車の屋根に積もった雪を、素手で落とすのはなかなか大変ですが、
「スノーブラシ」があると、雪を落とすのが楽になります。
新潟では車の雪を下ろすための道具として一般的に使われています。 新潟県内のホームセンターなどでは、冬になると販売しています。 また、新潟県内ではコンビニなどにも置いてあります(冬限定です)。 |
また、雪に埋まってしまった場合は、スコップが1本あると便利です。
先端の尖ったものではなく、四角いスコップの方が、大量の雪を
一度に掘ることができます。
このスコップは、雪からの脱出のためだけでなく、
自分でキッカーを作る場合などにも活躍します。 スコップが重いと使いにくいので、アルミ製などの軽いものが使いやすいでしょう。 ただし、プラスチック製のものは、雪の重さや硬さに耐えられずに折れてしまいます。 |
できれば、ブースターケーブルもあると安心です。
寒い場所では、車のバッテリーは性能を発揮できません。
そのため、バッテリーが上がってしまい、エンジンがかからないことがよくあります。 3年以上バッテリーを交換していない場合は、動かなくなる確率が高くなるので、要注意です。 ブースターケーブルを持っていれば、他の車の電気を借りてエンジンを始動することができます。 ただし、エンジンを始動できても、バッテリーが復活したわけではないので、 早めに近くのガソリンスタンドなどへ行って、バッテリーを交換してもらいましょう。 一度上がってしまったバッテリーは、元通りに復活することはありません。 |
長時間の駐車
スノーボード/スノボへ行くと、ワイパーを立てて、駐車場に止めている車があります。
これは、ワイパーをそのままにしておくと、凍り付いて、ワイパーがフロントガラスに
張り付き、ワイパーのゴムが切れてしまうためです。
ワイパーのゴムが切れたら、早めにガソリンスタンドなどで交換してもらってください。
窓ガラスも凍り付いて動かなくなることがあります。
パワーウィンドウの場合、動かないままスイッチを押し続けると、
モーターが焼き切れることがあります。
こうなると、修理に時間も費用もかかるので、無理をせずに、とけるまで待ちましょう。
まれに、鍵穴も凍り付くことがあります。
カギが鍵穴に入らなかったり、入っても回らなかったりします。
運転席側だけでなく、トランクやハッチバックの鍵穴も気を付けてください。
最近は、電子ロックが主流なのであまりないのですが、古い車などの場合は
鍵穴周辺の水分が凍ってしまう可能性があります。
無理に開けようとすると、カギが曲がったり、ドアが壊れたりするので、
どこかでお湯をもらってきて、とかすしかありません。
車が雪に埋まっている場合は、エンジンをかける前に、マフラーの周辺の
雪を取り除きましょう。。
マフラーの排気口が雪で埋まっていると、排気ガスが車内に逆流する場合があります。
車泊するときは、エンジンを止めましょう(当たり前のことですが)。
寝ている間に、雪でマフラーが埋まってしまうと、一酸化炭素中毒で死にます。
※このような死亡事故は、毎年起きています。